2012/08/16


 ラン仲間たちの集まり「月まで走ろう会」でたびたび企画されている"たまリバー"というイベント。
あらリバー脇に住んでいる僕もこのたびそれにのこのこ参加して洗礼を浴びてきました。



知ってたのは53kmという長距離ランだということ。
オーバーフルの距離はやってはおきたいと思っても一人じゃ絶対に嫌なのでこういうイベントでないと走れないと思います。
というわけで、朝は4時起きにて西へ。8時集合の羽村駅というのはさすがに遠かった…。
三度乗り換えで青梅線をうっかり寝過ごしそうになったものの、どうにかみんなと合流しました。
開口一番「今日は普通の格好なんだね」と突っ込まれ、ここしばらくまともな格好で走っていなかったことを思い出させられます。



羽村は川のせせらぎと蝉の声が青々とした山の中に満ちていて、山奥の田舎に遊びに来たかのような錯覚。
ここから53km下るとよく知る川崎につながっているなんてちょっと信じられません。
そんなのどかな風景の中、いいよスタート。


多摩川は上流のほうは河川敷というより木々に覆われた緑道が多く、走っているのも気持ちよかったです。
「水は大丈夫か?汲んでいくかい?」などと声をかけてくれる老人がいたりと、ピクニック気分でした。
ペースもゆっくり目で休憩もはさみはさみということで会話も多く、暇さえあればシャッターを押し、ささやかな夏休みを楽しめると予想していたのです。


しかし、10kmオーバーあたりで普段の同じ距離を走っているのと全く違うコンディションに気づきました。
だんだんと日をよける陰が少なくなっていくのと同時に、息が荒くそして心拍の上がりも早くなり、ハイドレーション(背負いバック内に水を入れておける道具)からこまめに水を飲んでいながらも、まったく回復する気配がありません。
それはみんなも同じだったらしく、すぐにペースと休憩感覚をゆるめに調整しました。これまでにこのような厳しいコンディションでの実施がなかったので「ともかく無理はしない」という合意のもと、まずはどうにか18km地点のコンビニに到着しました。


ここで冷たいドリンクやアイスバーをしこたま買い込んで体を冷やします。
この時点でもう離脱を宣言する人も現れ、今日がかなりハードなコンディションであることを再認識。
僕もあと2/3を走り切れるのか、不安になってきました。


その不安はすぐに確信となりました。体の変調が本当に早かったのです。
まずは心肺や気分の悪化よりも先に足の硬直が始まりました。なんとなくは予期していたのですが、フルマラソンでも何度走っても22~23kmあたりで足の筋肉が弾性を失ってくるのです。
今回はゆっくりなのでもう少しもたせられると思っていたのですが、僕の足の劣化はどうもペースはあまり関係ないようです。フォームが徐々にこわばってくるため、連鎖してほかの部位も徐々に痛みが出てきます。
この暑さと体調ではとても走り切れないと正直に知りました。レースでは自分のタイムに関わるだけですが、この場でのむやみな根性は、ここにいるメンバーや家族にも迷惑がかかります。
よって、登戸で涙を飲んでのギブアップ。今回の総走行距離は30km弱といったところ。ちょっと情けない結果です。

第一の敗因は、言うまでもなく暑さです。気温34度くらいになっていたところに路面からの照り返しを加えると40度近くになっていたはず。
暑いなかで連続の長時間有酸素運動することは体にとってかなりの危険な行為です。よほどの耐性と対処をたたき込んでおかなければ、秋冬それを走れるからといって同じようには考えないほうがいいでしょう。
次は背中の荷物の重み。当初はゴールの六郷橋で風呂に入って帰宅する予定だったので、今回は最小限の着替えと補給食、そして炎天下を想定してのハイドレーション2リットルを背中に背負っていきました。全部ひっくるめると3kg以上の荷物。フルマラソンでは当然そんな枷はないので、このハンデを差し引いて考えるべきでした。
そして最後は自分の足への過信です。上記のようなイレギュラーがあってもあんなにあっさりと壊れてしまうようでは作り方がまだまだ甘いと言わざるを得ません。ダイエットからの流れで、ただやみくもに走るという土台のもとフルマラソンまでたどり着いているので、それ以降に発展するためのトレーニングポイントをすっ飛ばしてきたことにもよるのは間違いないでしょう。今回、メンバーと話をしていて、この先は筋トレが重要になってくるというアドバイスももらいました。そろそろトレーニングも次へのステップを意識しながら進めなければいけませんね。

帰宅後はもうホントぐったり。
体は信じられない量の飲み物をスポンジのように吸収し、それが終わると猛烈な眠気に襲われ、娘とほぼ同じ時間に泥のように眠りの世界へダイブ。
その頃、53km完走したメンバーたちは、王将の餃子食べ放題で胃袋のベストレコードに挑んでいたそうです。これが越えられない壁というやつか…(笑)

結果はともかく、自分の体を一層よく知るいい機会になりました。またいずれ完走を目指してチャレンジしたいと思います。