2013/05/18


 妻と一緒にデザインフェスタを見て来ました。

デザインフェスタはビックサイトで年二回行われるプロ・アマ入り乱れての見本市で、知り合いも多く出展しています。よって、大規模な取材を兼ねた同窓会みたいなものを期待して行ったのです。


が、出展ブース3400という数字の中、足を止めるということが本懐である取材に関して時間的に致命的ロスを生じることが入ってすぐに理解できたため、ほとんどの知人ブースを遠距離から一方的な挨拶だけで済ませることになり、駆け足でひと通りの出展物を確認するだけで精一杯な一日でした。二日券ってのものが存在したのはこういう理由か。
夫婦間では「10分でこの5列を回るぞ」とか「止まるときは声かけて」とかなにやら一種の競技のような会話が繰り広げられ、先週のパパさんバレーで傷めた腰が再び疼く苦しい戦い(?)でした。

そのかわり、日本各所(一部海外)から集結した膨大なアートサンプルをひと通り見て、出展する場合はどのようにブース設計するのが効果的かとか、イラストレーターとして長く活動するためにはどういう絵を描いたらいいかというものが見えました。類似が多いタッチやインパクトに欠けるものを選んでも費用対効果は少ないため、商業的視点では「こういうものを描くべき」というビジョンが絞られる機会でした。

ただ僕にとって「こういう絵が好き」というのは前述のものとはぜんぜん別であり、僕自身が本当に描きたい絵はそこに埋もれてしまうものだと思っています。それは今の時代に商売として成り立たせるのはとても難しいことです。
これは絵だけでなくモノづくりにしろ創作物を売る職業全てに言えることであり、したい事を仕事にするという職業選択のハードルの向こうには、それが本当に好きな事ができるかという壁が存在し、その先には更に難しい問題が存在しているはず。

そんなことを考えながら出展物を見ている自分に気づき、何も考えずにこのイベントを見てられる立場じゃなくなったんだなあと複雑な思いを感じました。

何はともあれ、出店された皆さん、お疲れ様でした!