2012/08/11


 EPSONは社内でレーザープリンターを開発していない、とヨドバシの店員さんが興味深いことを教えてくれました。

(※2012/08/18訂正)
友人が調べてくれたところによると、LP-S520と同じなのはFUJI XEROX DocuPrint CP100 bということです。機体外装がほぼ同じですので、こちらが正しい情報かと思われます。
http://www.fujixerox.co.jp/product/printer/docuprint_cp100b/
以下は当初聞いた間違いの情報ではありますが、比較参考になると思いますのでそれを前提にお読みください。


EPSONのプリンターはコニカミノルタが開発したレーザープリンターを自社ブランドとして販売しているそう。いわゆるOEMというやつです。
EPSONショールームで見たLP-S520はコニカミノルタのMAGICOLOR1600Wと中身が同じとのこと。


「ほら、ちょっと色が違うだけでしょう?」
と店頭に並んだ両者を指し示して声高に解説してくれましたが、いやいや、全然違うと思いますよ。これ。

そしてコニカミノルタにはこの上位機種MC1650ENが40000円弱でリリースされていて、ランニングコストや解像度でだいぶアドバンテージがあるとか。
実はLP-S520は構造的に他のレーザープリンターのようにトナー(インクジェットにおけるタンク)以外の消耗品交換ができないため、寿命が短いというメーカー公証がなされているのです。
トナー以外の消耗品が寿命を迎えたら本体も寿命なんですね。もちろんMAGICOLOR1600Wも同様です。
MC1650EN以降はこの部品交換も可能なので本体寿命がずっと長いということです。

まあ、前者の寿命は3万枚の印刷ということですから1か月に500枚刷って5年くらい。
びっしりカラーばかりの内容で消耗度が高いと割り引いても、個人が使う分には余裕たっぷりなんですけどね。

とはいえ、こんな話を聞いたらMC1650ENの出力品質も見てみたくなります。

もちろんヨドバシ店頭では出力サービスをしているわけではないので、購入は保留しての帰宅後、コニカミノルタ社に電話してみました。
EPSONのようにはっきりした対応セクションがないため、何か所かをたらいまわしにされましたが、営業担当の方が対応してくれるとのこと。
しかもデータを送れば印刷したものを返送してくれるのだそうです。
この際なので、MC1650ENだけでなくMAGICOLOR1600Wで出力したものを、紙や設定を変えて出して欲しいとお願いしました。

かくして数日後、その結果が郵送されてきました。
それを見て驚き!

まず、MAGICOLOR1600Wと上位機種であるMC1650ENで出力したものを比較すると、画質で明らかに前者が勝っているのです。なぜ?この理由は未だにわかりません。
また、MAGICOLOR1600Wの出力物は、同じ機体であるはずのLP-S520よりもかなり違っているように見えるのです。
紙のせい?設定のせい?

以下が出力見本をスキャナで取り込んだものです。
一応ブラザー工業のHL3040CNも並べていますが、あくまで参考ということで

EPSON LP-S520
ブラザー HL3040CN

コニカミノルタ Magicolor1600W
コニカミノルタ MC-EN1650
MC1650ENの問題は、色変化の乏しい部分にドラム後のような縦横線が入ってしまっているところ。拡大してもMAGICOLOR1600Wよりもぼんやりした印象を受けます。
そしてLP-S520とMAGICOLOR1600Wの比較ですが、一見後者のほうがデジタルに近く色鮮やかに出ている印象があるものの、拡大してみた際の比較では明らかに前者のほうが細かな部分を再現できているということ。
以下の拡大画像において、頭頂部やあごの下部の主線のにじみあたりで顕著です。

EPSON LP-S520

ブラザー HL3040CN

コニカミノルタ Magicolor1600W

コニカミノルタ MC-EN1650

これは描く絵のタッチと好き嫌いの問題でもあるので一概には言えませんが、全く別の結果が出ることは明らか。

つまり(個人的には)
LP-S520 > MAGICOLOR1600W > MC1650EN (>>> HL3040CN)
という印象になりました。

この際なのでそのへんも遠慮なくコニカミノルタに質問してしまいました。
その結果、コニカミノルタではEPSONに対して機体供給は行っているものの、EPSON側のカタログ内容から、いろんなチューニングの施しが推測される、とのこと。
つまり別物だと考えていいってことですね。その違いは印刷品質が物語っています。

ありがたいことにこの中で最安の実勢価格をつけているのもLP-S520で23000円程度。
この額ならばたとえ失敗しても諦めがつくというものです。

というわけでamazonサイトで即ポチしました。
(ヨドバシだと同じ額でも送料がかかるので)


かくして我が家に届いたレーザープリンター。
何しろ早くて安定しているので、これまで一部するのに20分ほどかかっていたポートフォリオが5分で作れるのはホントありがたい!
そのかわり、写真画質はやっぱりインクジェットには劣るので、必要があればインクジェットのローエンド機(今は5980円くらいからある!)との二台持ちでクリアできます。

ちなみに大きさは体積的にはインクジェット(A4用)と体積はほぼ同じ。(比較用にスマートフォンを並べてみました)
トレイをしまうとほぼ立方体になる見た目のスマートさもグッド。

残念なのはLANがついていないこと。
無線どころか有線でさえ+10000円のS620(LAN以外は同じ性能)でないと装備されてないんです。
このへんはコストダウンと引き換えの仕様でしょうね。複数のPCからコマンドを受けるオフィスでは致命的になりえますが、個人用ではあまり問題ないでしょう。
僕の場合は後で妻に言い訳する必要がありましたが。

あとはフチなし印刷などの力技機能やCDラベル印刷ももちろんできません。
紙に熱を加えたうえで半回転させながら転写する都合上、紙質やノリを塗布されたシール状の用紙の取り扱いもインクジェットと違う注意が必要です。

使用感については、前述のとおり画質的にはインクジェットよりワンランク劣るので、写真を印刷して飾りたいとか人に贈りたいという量より質を求める場合はちょっと不向きであるものの、
何しろ出力時間がバカっ速いのとインクのかすれなどを一切心配しなくていい安定性はまさにストレスフリー。デジタルはこうでないと!という快適さ。
ランニングコストは大幅に改善とはいきませんが、メンテナンスや消耗品入れ替えの時間と手間を考えたら導入の効果は大きいと思います。

なにより、「レーザー」という語感が「ジェット」に比べて近未来のSF感があり、男の子として満足です。むふー。