イラストレーターのちょっと変わった仕事
本日はちょっと変わった業務のご紹介です。
数千人もの社員を抱える大きな会社では、各部署から代表を出して分散する意識や情報を収束のうえ新しい企画や研究に繋げるためのディスカッションが定期的にあり、その中でアイデアや企画内容を絵にして話し合いや発表のツール制作のサポートをするという役割でイラストレーターとして参加させていただくことがあります。
この仕事、直接の作品実績にはなりませんが、次々に出てくるアイデアをその都度マジックペンで一発描きしなければならないため、構図やイメージの作り上げるスピードが要求されます。
また、コンピュータを使えないところが一番のポイントで、Ctrl+Zキーによるやり直しがきかないので失敗したらすぐに破棄してやり直し。一筆ごとの意識を高める反復練習としては非常にシビアな作業になります。
僕のほか数名のイラストレータさんが参加しており、自分自身が持っている絵柄を最大限に活かしてニーズにこたえている様子が出来上がった絵に顕れています。
中でも古参のアナログオンリーでやっているイラストレーターさんの作品の綺麗なことには驚かされています。線の一本ずつに無駄がなく、モニタから投射される光ではなく、現物からにじみ出るオーラみたいなものすら感じるのです。職人技とはこういうものだと訴えかけているようです。
ディスカッションでは参加者たちがチームに分かれて企画をたて、互いにパネルに組み立てられたそれを評価するのですが、添付されたイラストの出来は決して評価に無関係でなく、イラストの内容で企画のアピール度が強まった点に着目されたりすると、通常メディアを通して間接かつ長いスパンで起こるイラストの機能が、直接生で強く感じられ、それがほかの仕事にない刺激となっています。
デスクに向かって作業するだけではなく、色々な環境で絵を描く経験は、長くイラストレータを続けていくにあたりとても重要なことであると同時に、イラストレーターは様々な役割で商業的貢献ができると知ったきっかけの業務です。
「こんな時にイラストレータさんを使ってみたらどうだろう」というアイデアがありましたらお気軽にご相談くださいね。
(本件は企業内の情報に関わるため、画像・内容を一部アレンジしています)