エヴァQの感想です。
できるだけネタバレしないよう書いていますが、勘のいい方、観るまでは一切の情報を入れたくないかたはスルーしてください。
テレビで放送された冒頭約6分には見事に騙されました。
まさかその直後、夢オチと並ぶあのずるい演出持ってくるとは。
よって「細かいところはわからないけど、こんなこの先こうなるんじゃないか、ああなるんじゃないか」という多くの視聴者の予想はほぼ外れてるんじゃないかと。むしろその"細かいところ"が知りたかったのだけど、それ全部省略されちゃってて「もうそんなことはどうでもいいじゃないか」的な話の流れに。あちこちで「コレジャナイ感」とか「想像の斜め上」と言われている所以がすべて理解できました。
一方、相変わらず「いけ」「ダメです」「かまわん」の庵野節は形を変えて健在で、この監督が本当にやりたいのは宇宙船とか宇宙戦艦ものなんだなあとしみじみしました。
主人公のはずのシンジ君は滝つぼに飲まれた兎のごとくものすごい勢いで周囲に翻弄され、ちゃんと立ち直れるのか心配。二大勢力の板挟みになるわ女に騙され罵られあまつさえ同性愛の禁断の花園にすら軽く足を踏み入れてしまった様子。この子を徹底的にいじめるのが今回のコンセプトなんじゃないかと思うほどです。むしろ現実的に一番年相応なリアルさ持ってるのはこの子でした。普通の中学生にはいささかハードすぎる人生です。このまま育っても人を信じる大人にはなれないだろうな。しんじくんなのに。ネルフはみんなアレだし、アスカはしゃべりすぎ、マリは三下すぎ、ゲンドウやレイは相変わらず。唯一、冬月先生の株がちょっと上がったくらいでしょうか。
そうそう。"破"の最後のエヴァ弐号機を見て「あ、こうなるんなら、むしろこうしちゃえよw」と冗談交じりに思った演出がまさかそのまま出て来るとは思いませんでした。無理があるよ。アレ。
そのほか新しいエヴァンゲリオンが何体か出てきましたがデザイン傾向がここ5~6年のkawasakiのバイクっぽい。こいつはネタ切れの予感がプンプンするぜ。
観賞後の印象はバックトゥザフューチャー2を観た後に似てます。つまりつなぎ感でいっぱい。そしてモヤモヤ感は過去最大。だって次の予告編がアレなんだもん。仮面ライダーか。
とはいっても次も観るとは思います。先が気になるというよりもどう収まりつけるのかが気になるってこと。TV版、劇場版、新劇場版全部でいい加減な終わり方だったとしたらさすがに呆れると思いますが。
以上です。"細かいところ"が全然わからなかったのが残念ですが、相変わらず戦闘周りの見せ方は大変迫力があって楽しめました。(←ささやかにフォロー)